4人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
今日も同じ朝を繰り返した。
間隔の短くなる時計
満員電車
乗り継ぎ
業務
帰宅
家に着き玄関の灯りをつけると、一通のハガキが落ちていた。
玄関のドアに接続された郵便受けから落ちた一通のハガキ…。
そのハガキが人生を変えるか変えないかなんて事は、その時考えもしなかった。
風呂からあがり、缶ビールを開け、タバコに火をつける。そしてさっき読まずにテーブルに置いたハガキに目をやった。
そこには
『石ヶ丘中学校3年A組同窓会のお知らせ』
と記載されていた。
「石中(いしちゅう)の同窓会か…」
その時、なんだかむしょうに昔の同級生がいま何をしているのか気になった。
気づけば俺は「参加」に丸をつけていた。
日付は11月9日(日)PM6:00~となっていた。
「あさってか…」
何だかワクワクしている自分に驚きはしたが、でもその好奇心は抑えられなかった。
「みんな…覚えてるかな…」
そんな事をつぶやいて、ビールを飲み干し、タバコを消して、歯を磨き布団に入った。
ワクワクして眠れない…そんなのは中学の修学旅行以来だった…
高校の時は修学旅行の前日まで野球の練習だったから、ワクワクはしていても家に着いたらすぐ爆睡していた。
「ちきしょう…寝れねぇや…」
この緊張感を楽しんでる自分に気持ち悪さを覚えながらも
俺はまた朝を迎えた。
最初のコメントを投稿しよう!