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「ねぇ、ポロ?」
『何?』
「ポロは何処からきたの?」
僕は自分が入ってきた扉を指差した。
『僕はあの扉の向こうからきた。』
「え?ポロ…扉なんて無いけど…」
ライは扉なんて無いと言った。でも、僕には見えるし、僕があの扉から入ってきたのは事実だ。
『見えないのなら、仕方ないね。』
『僕はただ、知らない事を知りたくて…ずっと一人で退屈だったから、探険しに来たんだ。』
『出て行けと言うなら今すぐ出て行くよ。』
僕は少しライから離れた。
「行かないで…。」
ライが寂しそうな声で言った。
「私、もうすぐ消えちゃうから…最後まで一緒にいて欲しいなぁ…。」
僕はライに一歩近付いた。
『なぜ消えちゃうの?』僕は首をかしげた。
「私ね、病気なんだ。もぅ治らないの。今、病院で入院してるの。」
「多分…今日が最後の日なの。」
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