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小さい頃の思い出で、忘れる事のできないエピソードが、この話。
みなさんは、自分の親戚や、祖父母(父方、母方の区別)をどう呼んでいましたか?僕は、おじちゃんとかおじいちゃんという呼び名の前に、地名や、その家で飼ってたペットの名前をつけて父方母方の親戚を区別してました。つまり、
母方の祖母→神戸在住で、会いに行くのにいつも新幹線だったので「新幹線ばぁちゃん」(おお!なんだかすごい笑)
父方の祖母→廿日市市在住だったから、「廿日市ばぁちゃん」
という具合に、二人の「ばぁちゃん」を区別していました。親しみをこめて。これなら、親戚が集まって「ばぁちゃん」が二人になっても、二人が呼ばれて同時に振り向くことはありません。
ところがある日、小学校の図書館で児童書を読んでいたら、その中の主人公が自分の祖父祖母を、「A(父方)おばあさん」「B(母方)おばあさん」と読んでいるのを呼んだ、もとい、呼んでいるのを読んだんです。
これでふと(そうか、「新幹線」「廿日市」とつけると長いから、A/Bなら、簡単だな!)と思った僕は、次に母方の祖母に会った時に、たった一度だけ
「Bおばぁちゃん」
って呼んだ事があります。
もちろん、この本の説明をした上で(どんな風に言ったかは忘れたけれど)
子供心に、何かほんの少し、哀しげな表情をした、新幹線ばあちゃんのきょとんとした表情が今でも忘れられません。そして、理由もよく理解してないまま、(これはまずかったかな)って気まずい思いをした事も、心に引っかかっています。
今となって考えれば、「A」「B」なんてどこか無機質だし、「A>B」って感じの評価的イメージが強いからまずい呼称だとは思うけれど、その時はまったくそんなつもりはなかったんです。
それ以来、またいつもの「新幹線ばぁちゃん」で通しました。祖母が亡くなった今でも。
あ、思い出した。これ、『お父さんのおへそ』という本です。
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