終章・―シュトルツ王子の出立―

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 彼が負った怪我については倒れて寝込んだせいで、瞬く間に王国中に知れ渡る事となる。  あれだけの強さを誇る騎士団長が、一体誰にどうしてやられたのかと色々と噂が飛び交ったが、結局のところ真相は誰にも知れず仕舞いに終わる。  国民にはシュトルツの訪問理由も知れずに、しばらく話題の種となったがやがて噂は噂として立ち消えしてしまう。  彼はというと、国王から受けた依頼を無事解決出来た事で、周囲からの信頼も上がる結果となった。  更に、ようやく口外してはならない任からも外れたお陰で、彼からの説明を聞けたケイトとの誤解も後腐れなく解けたのだ。  そうして全てが丸く収まったサウスパレス王国には、再びの平和と和やかな空気が戻った。  だが、彼の苦難の日々はまだ始まったばかりであった――。         to be continued……
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