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「くっ……! 貴様、諮ったな……!!」
一時的にでも視力を失い、距離感を保てないシュトルツが手探りで僅かに後退りながら、罠に嵌められた憤りを隠さずそう叫ぶ。
しかし言われた彼は冷静そのもので、もう勝負はついたと剣を鞘に納めながら答えた。
「シュトルツ王子、私にも……護りたいものはあります。自分が目的を遂行するためならば、時には鬼になる事をも厭わない。どのような悪にも躊躇わず手を染める。……結局は私も、貴方と同じ人種なのですよ」
「くっ……!」
初めて会った時からそう感じていたのに、それこそ簡単に勝てると相手を侮り油断していたと、悔しそうに歯軋りをするシュトルツが、ようやく痛みから解放されたのか両手を目から離す。
そうしてゆっくりと目をひらき、彼を睨みつけると取り落とした剣を乱暴に掴んで鞘に収めるのだ。
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