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パパやママの記憶があるのは8歳の頃。それ以前も後も記憶にない。
その記憶は
捨てられる少し前のこと。
『パパぁ?』
『……。』
いくら呼んでもパパは返事を返してくれない。
揺さぶってもみたけど、パパは起きなかった。
『××…。』
ママが私を呼ぶけど、自分の名前が思いだせない。
あれ、私は何て呼ばれてたっけ?
『マーマ?』
ドアの方を振り返るとママは包丁を持って立っていた。
血がいっぱいいっぱい包丁についていた。
包丁から滴る血液が床に小さな水溜まりを作る。
『××、心配しなくていいのよ。』
『?』
『大丈夫、愛してる。』
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