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僕は亮太にベッドへ戻されると微妙な空気が流れる保健室で居心地の悪さに少し気分を悪くした。
孝太は床から起き上がり、ベッドの横にあるパイプ椅子に座るとポケットから出したハンカチで血を拭ってる。
こちらを見ようとはしない。
亮太はと言うと壁にもたれながら、まだ孝太に対して怒りを隠しきれていない状態だった。
僕が気を失い倒れたのは孝太が僕に何かしたせいだとでも思っているようだ。
こうなったら全てを話すしかない。
そう僕は決心するしかなかった。
このままじゃ、孝太だけが悪者になってしまう。
そんなの僕には耐えられない。
しかし…
亮太にだけはばれたくない。
その思いから僕は暫く沈黙を守っていた。
色んな事を考えたがこれ以上の沈黙が続くのは僕にとっても心地がいいものでもなかった。
そして亮太に…
全てを話し始めた。
・小学生の頃から僕が『男』に『興味』を抱いてた事。
・それがばれたせいで中学の時、僕の秘密を知った一樹にひどい仕打ちを受けた事。
・それが主な原因で誰にも自分が『ゲイ』である事を話さないと決めた事。
・高校に入って初めて彼氏が出来た事。
・その彼氏が実は龍一だと言う事。
・孝太が今日、僕に話してくれた事。
それを順番に自分が考える中で一番わかりやすいであろう言葉に変えて亮太へ打ち明けた。亮太は黙っている。
あぁ、これで亮太も僕のこと軽蔑するんだろうな…
長かった腐れ縁の亮太とも離別しなくてはいけないのだ。
軽蔑や侮辱と言う最悪のパターンで…
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