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夏休み中、バイトをしながら、暇を見つけては孝太とデートしたり、亮太と遊んでいた。
友達が少ないわけではないのだが…
彼氏の孝太はもちろん、秘密を知る亮太と一緒にいても僕は気を使うことなくありのままの自分でいられる。
それが楽だったからかもしれない。
異端視されるのが恐い。
自分が同性愛者だと言う事実を知られる事で今まで仲良くしてきた身近な人間から冷ややかに見られるのが恐かった。
普段からあっけらかんとした亮太は「気にする事ないんじゃねぇ?」なんて気軽に言ってくれるが…
亮太みたいに『カミングアウト』した後も以前同様、変わらず付き合ってくれる人間は珍しいんだと思う。
中学時代、クラスメイトの一樹にばれた時はホントひどかった。
『お前キモイよ!!』
たった一言のそのセリフで僕の心はズタズタに引き裂かれ…
彼の冷ややかな目は僕を凍りつかせた。
目の前が真っ暗になる思いを身を持って体感した。
だからこそ『恐い』のだ。
まぁ、一樹とは正反対で亮太みたいに僕と言う個人を尊重した上で理解してくれる存在に気づく事は出来たが…
聞かれないなら…
自ら話す必要はない。
今はそう気軽に考えてる。
昔みたいに『バレちゃいけない!!』と苦しむ事は少なくなった。
僕の良き理解者であり幼馴染の亮太には本当に感謝している!
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