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中学の時、クラスメイトの一樹に本屋でゲイ雑誌を読んでいたところを目撃され悲惨な中学生活を送った経験がある僕にとって知り合いに『ゲイ』であることがばれるのは危険だったのだ。
一樹は僕の弱みを握ると豹変した。
僕を性欲の捌け口として玩具の様に扱ったのだ。
そんな過去を二度と繰り返したくない僕はクラスメイトはもちろん、幼馴染で腐れ縁の亮太にも未だ打ち明けてなかった。
「なんか怪しいなぁ…実は彼女居るんじゃないの?」
「そんなの居るわけないじゃん。出会いないし。」
たわいもない会話をしてるとあっという間に学校についた。
僕の通う高校は2年生から進学クラスと普通のクラスに分かれる。
亮太も僕も大学には興味を示さなかったが…
何故か成績が良かった為…
担任の先生と親の勧めで進学クラスに進むことになる。
亮太は理系の進学クラスに。
僕は文系の進学クラスに進級したので亮太とはまた違うクラスになった。
学校に着くと下駄箱で靴を履き替え亮太と別れた。
今日の1時間目は確か古典なんだよね…
もちろん、文系のクラスに進んだのだから古典が嫌いではないが…
古典の担当教師の授業がとてつもなく退屈なのである。
しかも僕のことを気に入ってるのか嫌いなのかはわからないが…
毎回、授業中に幾度となくあてられるか面倒なのだ。
そんな事を考えながら憂鬱な顔をして教室に入る。
教室には知った顔のクラスメイトが既に朝の座談会を始めていた。
「オ~ッス!蓮、今日も可愛いねぇ。お前が女だったらきっと惚れてるよ!!」
そう言って来たのは2年になってから同じクラスになった孝太だった。
「何言ってるのさぁ!僕は男だよ!可愛いとか言われても嬉しくないし!!」
と言いつつ、僕はまんざらでもない顔をしている。
昔から蓮ちゃんは女の子みたいだね!と近所のオバちゃん連中からはかなり可愛がってもらっている。
男としては「可愛い」と言われる事が決して嬉しいことではないのかもしれないが…
僕にとっては嬉しい褒め言葉なのだ。
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