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久々に訪れた『reset』…
相変わらず咲ママは豪華な振る舞いで見事に客席のお客さんと接している。
高校時代とは変わってカウンター内には龍一の姿も楓さんや瑞希さんの姿はなく…
新しい従業員さんが忙しそうに動き回っていた。
そんな店内をボ~ッと見つめながらビールを飲んでいる。
ついこの前まで10代と言うブランド品だった僕も既に21歳。
ファッションデザイン専門学校に通いながらアパレルショップで販売のバイトをしている。
最近、学校の授業についていけず面白くない。
高校の時から付き合っている彼氏は大学の先輩と飲みに行っているらしく…
今日は会えないらしい。
これも僕の中の憂鬱を大きくさせている原因だった。
「蓮ちゃん、どうしたの浮かない顔して…」
話しかけてきたのは咲ママだった。
「なんか最近、面白くなくて…」
僕は少しトーンダウンした声で返事を返す。
咲ママと最近の近況をふまえつつ面白くない原因を話してるだけでなんとなく落ち着く。
僕はとりあえず、今置かれている自分の境遇を誰かに聞いて欲しかっただけなのかもしれない。
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