せどり入門編~大手古本販売チェーンで背取り~

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店内は明るく、にぎやかなCMソングがエンドレスで流れている。 古本屋といえば暗い、入りにくい。 そんなイメージを一新して巨大チェーンに成長した、と何かのTVで社長が言っていた。  そんな事を思い出しながら、陸は促されるままに『105円コーナー』のポップが並ぶ棚の前に立った。 「ほれ、あった。 『4オリオンSF文庫』。その、隅の文庫本じゃ」 背中からフノカミが声を挙げた。 「4オリオン?あの、キャラクターグッズの会社か? 『こんにちは猫ちゃん』『Yourおんぷ』とかの?」 周りの客に気付かれぬよう、そっと尋ねる。 「そうじゃ。 一時期だが、小説出版を行っていた。 それがその『SF文庫』じゃ。 現存しない出版社モノゆえ、希少となり高値がつけられておる。 ま、1000円前後になるじゃろう」 「1000円っ…10倍?!」
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