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「ふぁー、間に合ったぁ……」
猛ダッシュして何とか校門をくぐった。その代わりに、まだ春だというのに、カッターは少し汗ばんでしまった。
「まぁた朝からましゃ節かましてたの?」
「あっ!夢ちゃんおっはよー!いつみても長い足でんなー……」
後ろから、少し呆れた声が聞こえたと思えば、足長ねぇちゃんこと晴海 夢(はるみゆめ)ちゃんあたしの親友!
夢ちゃんの本当に長い御足は羨ましい限り。ついつい見惚れて、いっぱいみちゃうんだよね、これが。
そんなあたりの頭を、これまた長い手で叩く。
「セクハラかっ!」
「ほんとだもーん!こんなツルツルスベスベ美脚見たことない!」
あれだよ!
化粧の神様が、宣伝で「つるつる美脚ぅ~」って言ってるのに、対抗出来ちゃうよ、本当。
「毎日見てるでしょーが!」
口元に軽く手を添え、苦笑する夢ちゃんは高校生とは思えない程、大人っぽい。
春風に吹かれる髪だって、艶やかなんだ。
本当にあたし、同い年……?
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