憧れと憧れと

4/6

1188人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
「ふぁー、間に合ったぁ……」 猛ダッシュして何とか校門をくぐった。その代わりに、まだ春だというのに、カッターは少し汗ばんでしまった。 「まぁた朝からましゃ節かましてたの?」 「あっ!夢ちゃんおっはよー!いつみても長い足でんなー……」 後ろから、少し呆れた声が聞こえたと思えば、足長ねぇちゃんこと晴海 夢(はるみゆめ)ちゃんあたしの親友! 夢ちゃんの本当に長い御足は羨ましい限り。ついつい見惚れて、いっぱいみちゃうんだよね、これが。 そんなあたりの頭を、これまた長い手で叩く。 「セクハラかっ!」 「ほんとだもーん!こんなツルツルスベスベ美脚見たことない!」 あれだよ! 化粧の神様が、宣伝で「つるつる美脚ぅ~」って言ってるのに、対抗出来ちゃうよ、本当。 「毎日見てるでしょーが!」 口元に軽く手を添え、苦笑する夢ちゃんは高校生とは思えない程、大人っぽい。 春風に吹かれる髪だって、艶やかなんだ。 本当にあたし、同い年……?  
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1188人が本棚に入れています
本棚に追加