憧れと憧れと

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「あのね、あのね夢ちゃん!」 あたし達が使う同じ教室は、げた箱からほんの少し遠い。 この季節か、秋ならいいんだけど、夏は階段を登るだけで汗だくだし、冬は寒くてやってらんない。 けれど、夢ちゃんと一緒に話してれば早く着いちゃう。 あたしの呼びかけに、夢ちゃんは声だけで反応した。 「なぁに、のの」 「ましゃ様が鎖骨キングに選ばれたよ!ホラ……っ!」 携帯の画面には、あらゆるランキングを取るサイト。 今回は「鎖骨が綺麗な俳優」だって。まぁ、ピンポイントなランキングだけど。 「あぁ、ヨカッタヨカッタ」 夢ちゃんは携帯をあたしの方に押し返すと、やっと着いた教室のドアを開けた。 「思ってないでしょーっ?!」 「……はいはい」  
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