閑話休題

2/2
前へ
/22ページ
次へ
 さて伊達東次郎の「東次郎」は字である。諱は追って考……いや明かされるが、当然「藤次郎正宗」の藤次郎から来た名前である。  伊達政宗と呼ばれるが、正宗は諱であり、字は藤次郎である。伊達の九代目、大膳大夫政宗からその名が取られたが、諱と字の関係について、賢明なる読者諸姉諸兄に説明するのは憚られるが、現在の姓名とは形が異なるため、念の為触れておこう。  諱とは「いみな」と読み、本名である。諱を呼ぶは失礼に当たり、通称として字、これは「あざな」と読むのだが、つまりこれを普段は用いる。例えば武田信玄。信玄は諱、つまり本名であり、字は太郎。武田太郎信玄であり、通称として「太郎」が用いられた。  東次郎は伊達の十七代目、伊達藤次郎正宗の子である。西暦で云えば千六百三十六年に正宗が死去しているため、それ以前に産まれている。  坂本龍馬は千八百六十七に死去しており、実に二百年余りの歳月が流れており、人の寿命を遥かに超えて生きている。  さてところが結衣にしても琥珀にしても、その齢百歳を超える。東次郎と出会って百年以上の歳月が流れているということであり、その正確な年齢は不明である。  彼らの存在が非科学的であることを、改めて認識していただきたくかような頁を設けた。  結衣は未来から、琥珀は異国から。  認識深めて頂いた所で、話を進めたいと思う。  決して著者が面倒になったとか飽きたなどで更新が停滞していたなどとは努々思わぬよう楔しておこう。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加