7人が本棚に入れています
本棚に追加
背が高く髪を後ろで束ねた一人の男が片膝をたて縁側で煙管をふかしていた。その男の後ろには怪しげな影がついている。その影が後ろから男に覆い被さるように飛びつく。
「のわっ!だっ誰だ!?」
男は驚きの余り煙管の煙で激しく咳き込みながら後ろを振り向く。
「えへへ~☆驚きました?」
「総司てめぇ!ふざけるな!あぶねぇじゃねぇか」
「だって土方さん怖い顔してるんですもん。」
「うるせぇ!生まれつきだ!」
煙管を吸っていた男の名は土方歳三。
そして彼に飛びついた綺麗な顔立ちの男は沖田総司。
二人とも新撰組に名を置いていた。
「ちっ…煙管の味が不味くなっちまったじゃねぇか」
土方は皮肉そうに舌打ちをすると落とした煙管を拾い上げ再び吸い始めた。
「ごめんなさい…」
一方の総司は怒られしょんぼりと肩をすくめた。
「いつまでガキみてぇな事して!悪戯してる暇あるなら仕事しろ仕事!」
不機嫌そうに煙を吐きながら土方は言う。
「だってぇ仕事もないんですもん。最近不貞浪士も出ないし…」
「そんなに出られちゃ困るだろうが!出ねぇってことは俺たちに怯えてんだろ。」
「そうですけど…」
総司は、不服そうに土方の隣に座った。
「ったく。なら八木邸のガキとでも遊んでろ」
最初のコメントを投稿しよう!