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義妹が話すには、義妹の夫と母親は血の繋がりがなく不仲なのだという。
それが不憫と思った義妹が結婚して、その母親から彼をひき離す事にしたと言うのだ。
(同情で結婚して、果たしてうまくいくのかな・・・・・・・。)
私は内心そう思いながら義妹の話を聞いていた。
それからしばらくして後、また舅が相談があると呼び出してきた。
今度は義妹の結婚相手の両親への不満と、相手の両親がとんでもない話を義妹に持ち掛けてきたと言うのだ。
向こうの両親はお金にだらしなく、家賃を踏み倒しては引っ越しを繰り返していて借金もかなりあるという話をしてきた。
そして舅が何より頭を抱えていたのは、向こうの父親が「自分が死んだら保険金は全額義妹夫婦にやるから、保険料を支払え。」と言ってきた事だ。
舅は私に
「この話、レイさんはどう思うかね?」
私はきれいごとを言いたくなかったので、キッパリと舅に言った。
「お義父さん、その話は絶対に裏がありますよ。支払ってやったら、しばらくして解約して返戻金を取るつもりじゃないですか?」
「やっぱり、そう思うかね?俺もそんな気がしてならないんだ。お金目当てとしか思えないんだよ。」
「真美子さんにお断りするようにお伝えした方がいいと思いますよ、でなければ嫌な予感がします。」
「わかった、真美子には言っておくよ。しかし真美子の奴、何で10歳年下のあんな厄介な両親のいる男と一緒になったかな・・・・・・・。」
舅は義妹が同情で結婚したのを知らなかったのだ。私もそれを舅に言う事はできなかった。
それから1年と経たぬうちに義妹夫婦は離婚した。やはり同情で結婚などしてもうまくいかないのである。
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