第46章 別居してわかったもの

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伸治と別居して実家に戻って1週間、猫嫌いの両親がアスカをまるで孫のように可愛がるようになっていた。 アスカもまた両親によくなつき、家の中を楽しそうに遊んでいた。 伸治は毎日のように電話してくるが、私は伸治に反省させる為に着信拒否をしていた。 仕方なく伸治は自宅に電話をしてくると、私の両親にガミガミと叱られて取り次いでもらえない。 それから1週間くらい過ぎた頃に、伸治の会社のリーダーから私の携帯に電話がきた。 「ご主人が無断欠勤してるんですが・・・・・・・。」 「そうですか、今私は別居しているものでわからないんですよ。」 リーダーは驚いたように 「奥さん別居しているんですか?困ったなこのままでは伸治君は解雇になりますよ。」 「解雇って、どのくらい休んでいるんですか?」 私が尋ねると言いにくそうに 「もう10日になります。家に行ってもいないんですよ。これでは派遣会社から解雇は間違いありません。」 「派遣会社?主人は正社員じゃないんですか?」 「奥さん知らなかったの?伸治君はうちの子会社の派遣会社からの派遣社員ですよ。」 私は唖然とするしかなかった。給料明細は必ず確認していたが、派遣会社の名前ではなかったからわからなかったのだ。 (伸治のやつ正社員だなんてウソつくなんて、ただではおかないから・・・・・・・。) 私は怒りが爆発し、伸治に電話して問いつめた。 「あんた派遣社員ってどういう事さ?正社員じゃなかったの?」 伸治はしばらく黙っていたが、ボソッと 「言い出せなかったから・・・・・・・。」 その言葉で私は一気にまくし立てた。 「言い出せなかったで済むと思うの?しかも無断欠勤してるってこっちに電話くるし、どれだけ迷惑かけたら気が済むのさこのバカ!!」 そのやり取りを聞いていた父が私の携帯を取り上げた。
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