一遍した世界

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その瞬間。 彼はふわっとやさしい笑顔を見せると少しずれたメガネを直す。 「あ、大丈夫ですよ。お気遣いありがとうございます」 にっこりと笑う彼にみるみる顔が赤くなるのが自分でわかる。やさしい天使のような笑みに完全に早くなった鼓動を隠すようにうつむいた。 「あ、バスきましたね。」 そういって乗り込むと彼の座る席より後ろに座ると学校までの道のり、彼の後ろ姿を眺めていた。
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