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「よぅ何やってんだ舞奈?」
遠くに見つけた知り合いの女子。
すぐに駆け寄って背中をバンと叩いて話し掛けた。
「いったいなぁ、萬!……塾の帰りよ、帰り。一緒に帰る?」
「あぁ、俺も家に帰る途中だしな」
「……てかあんた、たまには部活に顔出しなさいよ?練習しないと大会にでるとか言ってられないんだから」
「わかってるって!……いやさ、ちょっと用事があって………」
この女、どこまで鋭いか。
くどくど言われながら歩いていると、ようやく家の前に着いた。
「お、着いた着いた。じゃ、また明日な」
「うん、じゃあね萬♪」
彼女はにっこりと笑うと、自分の家に入っていった。
……と、見送ってないで俺も家に入らなきゃな。
自分に突っ込みをいれつつ、誰もいない家の鍵を開ける。
……あ、申し遅れた。
俺の名は「衛堂 萬(エイドウ バン)」という。
特に変なとこもなく、好きな女子もいるフツーのどこにでもいそうな高校生だ。
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