昔の話【前編】

2/76
前へ
/658ページ
次へ
突然、帰ってきた?ミリアとロキに驚きながらも、村の人々は温かく迎え 丸一日をドンチャン騒ぎで過ごした次の日の事である 「ねぇ、ロイドは大丈夫そう?」 ミリアは、心配そうにロイドを診察するロキに聞いた。ロイドは、此処に来てから眠り続けているのだ 「命に別状はないな。でも、完全に休眠状態に入ってる」 「休眠?」 「簡単に言えば、無駄な力を使わないようにして、傷を癒すのに専念してるんだよ 不死族は、高い生命力と回復力を持つ代わりに、外部からの癒やしがあまり効かないから 一応、サクヤのおかげで一命は取り留めたけど。ロイドにとっては、サクヤの癒やしの力は、応急処置にしかならなかったわけ だから、今こうして自力で癒そうとしてる。つまり、防衛本能かな」 「じゃあ、傷が癒えないと起きないの?」 「そういうこと。まあ、ロイドの事だから今日中には起きるよ」 「よかった」 ミリアは、安心して胸を撫で下ろした
/658ページ

最初のコメントを投稿しよう!

856人が本棚に入れています
本棚に追加