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「怖い、怖い」
そう言いながらガゼルは、荷物の中から赤い木の実を取り出し、ロキに投げ渡した
「それで許してくれませんか?魔族様」
ガゼルは、敢えて皮肉たっぷりに言った
「本当に殺したいな」
ロキは、ため息をつくと木の実をかじった
「お前が俺より弱かったら、とっくの昔に殺してやるのに」
「それは気の毒だね。でもロキは、俺に勝てないよ。だって俺には、絶対に守り通さないといけないものがあるから」
ロキは、先程とは違い真剣に言うガゼルの気迫に圧された
「くだらないな。他人を守るぐらいで強くられるなら苦労はしない」
「分かってないな。問題なのは『覚悟』だよ。別に気持ちしだいで急に強くなるなんて言わないよ
でも、覚悟がありさえすれば、どんな苦しい修行にも鍛錬も堪えられるから
だからさ、ロキも少しは…」
「誰かを守るようにする?いい加減聞き飽きたね」
ロキは、ガゼルの言葉を遮った
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