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そもそも、社会は人の集合体で、人は社会の還元要素でしかない。
この人と社会との間にある根底たる円循環は、社会的人格を創り上げる上で、人はそれを絶つ術を持たない。
社会に触れた者は、およそ無意識的にその一片に酷く依存することになる、……ということである。
例を出すならば、過去に為された猿の実験、猿の群れから一匹だけを部屋に監禁し、コミュニケーションの一切を無くすといったものがある。
猿は数日足らずで全身の毛を掻き毟り、精神安定が不可能になったという。
少し安直だが、これで生物というものが、いかに社会環境の有無に影響され安いか、お分かりいただけると思う。
そしてそれは、生物にカテゴライズされる人間も例外ではない、というよりも、積極的にそれに当てはまるということは必然である。
というのも、動物と比べ、言葉などというコミュニケーション媒体が存在する人間社会の方が、より社会らしい働きをしているからだ。
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