~過去~

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   私のケイタに対する態度が変わってしまったのは、だから、周りにからかわれるのが嫌だったからだとか、そんな理由じゃない。      それは、中学3年の、夏休み直前のことだったと思う。私は放課後、隣のクラスの初対面の女の子二人に裏庭まで呼び出された。ちなみにケイタも隣のクラス――つまり呼び出した女の子二人と同じクラスだった。  私の友達はリンチか何かと勘違いして心配してくれたけど、彼女たちはどう見ても大人しそうな子たちだったから、私は結局一人で待ち合わせ場所に向かった。    私が裏庭に着くと、二人のうちショートヘアの知的な雰囲気を醸し出している方が、聞き慣れた質問をしてきた。ケイタと付き合ってるのか――と。  そんな話の為にわざわざこんな所まで呼び出したのかと私は半ば呆れて、いつも通り「ただの幼なじみだ」と答えた。    すると、今度はサラサラロングヘアの、守ってあげたいオーラを全身から放っている可愛い方が、一歩前に出てきてこう言った。   「ホントに? ホントにただの幼なじみなだけなの?」
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