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一晩中泣き明かした夜明け前、腫れ上がったまぶたの隙間から今の時刻は3時56分だと確認した時、私はようやく、自分はケイタが好きだったんだと思い知った。
だけど今更どうしようもないことだってよく分かっていたから、私はいつも通りに学校へ行って、昨日置いてけぼりにしてしまった友達にひたすら謝った。私の恋心は、私だけの胸に閉まっておいた。
現実とは時に酷く残酷なもので、私とケイタとケイタの彼女は、偶然にも同じ高校へと進学した。
いや、偶然だったのは私だけで、ケイタと彼女は計画的に同じ高校を選んだのかも知れない。まあ、今となってはどうでも良い。
幸い、高校三年間でケイタと同じクラスになることはなかったけど、彼女の方とは一度だけ同じクラスになった。
女の子っていつの時代もグループを作りたがるものだから、私と彼女は別々のグループだったけど、彼女がとても性格の良い子だってことは、十分過ぎるくらい分かってしまった。
イマドキ『大和撫子』などという言葉が当てはまる人なんてそうそういないだろうけど、彼女はまさにそんな感じ。
――ケイタ、良い彼女持ったな!
私は本気でそう思った。
完敗だ。
私の初恋は、こうして幕を閉じたのだった。
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