第三章

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次の日れいなとは喋れなかった。でも顔を見る度に胸がドキドキした。れいなのやわらかい唇の感触もまだ残っている。 もしかして俺…。 自分の気持ちがわからなくなった。どうしてこんなにドキドキするのか…。 そんなモヤモヤした感じで廊下を歩いていると夏美に会ってしまった。 「拓也!おめでとう。れいなと付き合ってるんでしょ?実は私も和也と付き合ってるの」 「え?」 耳を疑った…。何故夏美がそんな勘違いをしてるのかもだけどそれ以前にどうして和也と付き合ってるんだ…。 「昨日キスしてるとこみちゃった。なんかすごいラブラブだったね。」 「いやそれは…。そんなことよりどうして和也と付き合ってるんだ?」 「実は告白されちゃって…。私好きな人いたんだけどあまりに熱心だったしもう叶わないってわかったから付き合うことにしたの。」 信じられなかった。和也は俺の気持ち知ってたのに…。もうどうでもよくなった。死にたくなった。今までの苦労が全て水の泡になった気がした。和也は今ごろ笑ってるだろう。最初からそういうつもりで俺みたいな人間と友達になったのかもしれない。もう嫌だ…。何もかも全て……。
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