プロローグ

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表札に名前が出ていなかった点、会社が入っている雑居ビルなのに、個人名で注文してきた点…… この部屋はヤクザさんの事務所なんだと、勝手に理解した。 自分に被害はないものの、普段接しない世界の人に少し接しただけで、俺の心拍数は上昇していた。 (こんなとこ……早く帰ろ) 俺は階段を降りはじめる。 『こんなとこで働けるか!!』 階段を一段降りた所で、階段中に響き渡る大声。 俺は緊張状態にあった為、声に反応し“ピクッ”と、なってしまった。 どうやら、下の階で揉め事のようだ。 (トラブルはやだな……) 俺は階段の踊り場付近まで降りていき、二階の様子をそっと覗いた。  
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