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距離がわずか数センチ。
ニコニコと微笑みながら更に近付いてくる。
あたしは男子と接するのが大の苦手。
彪俄は苦手も何もないんだけどね。
そんな時―。
―グイッ。
「おい、引っ張んなよ。」
「お前、雛乃に何やってんの?」
そこには瑠威斗の制服の襟元を引っ張る彪俄がいた。
「何もしてねぇよ。いーから、離せって。」
「雛乃、ほんと?」
優しく問い掛ける彪俄にあたしはただ頷いた。
「あのな、雛乃は男と接するのが苦手なんだよ。
あんま近付くなよ。雛乃、怯えてるし。」
ばっ、バレてたんだ。
すごく怖かったんだよね。
「彪俄は幼馴染みだから怖くないってわけか。
まぁ、いいや。今日は一旦身を引くよ。ごめんな。
じゃあな、彪俄。」
そう言って瑠威斗は去って行った。
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