慌ただしい1日

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 そして、退屈な時間が過ぎいよいよ部活見学となる。  勢いよく教室を飛び出ようとする誠を 「広末、広末」 と言う声が制す。  誠が怪訝そうに後ろを向くと、クラスメイトの二宮 修が立っていた。 「何だ?」  早く済まして部活見学に行きたかった誠は、おおざっぱに返事した。 「お前、野球部に見学に行くんだろ?一緒に行こうぜ~」 「・・・お前、野球やってたの?」  誠は修の名前を聞いたことがなかったので、不思議に思い、聞いてみた。 「んや~?まるっきしだけど?」 「・・・マジ?」 「マジ。もぉいいから早く行こうぜぇ」  執拗に誠を急かす修。 「お、おい!急かすなって!」  修のせっかちさには初対面の誠もたじたじのようだ。 「あのぉ、広末くん?」  その時、修の後ろからまた誠を呼ぶ声がした。 (今度はなんだぁ!?)  誠は修のさらに後ろを覗き込んだ。
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