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チームメイトは盛り上がっている。
踵を返し、遠ざかろうとする俺の後ろ姿に
「ヒロ!ヒロだろ!?」
――光太郎が大きな声で俺の名前を呼んだ。
光太郎の足音と思われるものがこっちに近づいて来る。
そして俺が振り返ると満面の笑みを見せた光太郎が立っていた。
「なんだよ、見に来てたのか!?」
「ここにいる時点で、見に来てたに決まってんだろ」
まあ、確かにな。と、それでも笑みは絶やさずに光太郎は肯定した。
「で、今日はどうした?」
光太郎のその発言に、ああ、と今日見に来た理由を思い出した。
「今から少し時間あるか?」
「ん?まあ、現地解散だから、大丈夫だな」
「んじゃ、少し話そうぜ。場所は・・・隣の公園に来てくれ」
おう。と賛成の意味も込めたのか、やはり微笑しながら言った。
――それから少しの時間が経った。
時刻は3時28分。先程より15分進んだ時計台の針をチラリと確認したとき、
球場側から光太郎と剛志が肩を並べて歩いてきた。
「わりぃな、待たして」
そんなことねーよ、とフォロー気味に言っておく。
「よぉ広末ぇ。元気だったか?」
金城 剛志が相変わらずのペースで挨拶をした。
「まあまあだな」
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