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ビクッと木から少し距離を取って、昔からあると思われるその木を上から下までマジマジと見つめてみた……
『木が……喋る訳、ない…ょね……ι』
そぅだね……なんて言ってくれたらそれはそれで安心なんだけど、でもそれは木が喋るって証明にもなる訳で……ι
「さぁ、どうなんでしょうか……」
(ΣΣ喋ったぁああっ!!)
打ち上げられた魚のように口をパクパクさせてたら、その声の主は木ではなくて……
「私は、天使に会った事がありますよ……?」
大木の影からでてきたのは、腰までの長い金色の髪をポニーに纏めた騎士だった。
髪と同じ金色の瞳を優しげに細めて俺をみているその人は、城で一・二度見かけた事のある……
「スクエア……と申します。
大変失礼を致しましたこと、お詫び申し上げます……。」
その重低音を心地よく受け入れ、やはり何度か聞き覚えがある声だな…なんて考えていた。
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