君の微笑み

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君の微笑み

見開かれた大きな瞳。 「あ、わりぃ...」 学校での休み時間、教室ではしゃぐ男子達。 その中の1人の男子生徒の手が、よろけた際に座っていた女子生徒の胸に触れた。 「なんだ、村上かー?ってか、なんかラッキー」 口元をニヤリとゆるませ、笑みを浮かばせた男子生徒。 彼の名は本田 学。 色素の薄い茶色いふんわりパーマの髪に 切れ長な目にどこか脱力感のある整った顔。 細身の体型に、着崩した制服を着こなす今どきの高校生だ。 「うっわぁー、えっちな顔ー!! なんだーとか言っといてしっかり触ってたよねぇ?」 少し顔を赤くさせながら頬杖をつく女子。 彼女の名は村上 浅海。 ゆるいウェーブの巻き髪に、目元を強調させたしっかりメイク。 唇はいつもグロスで艶めかせている、いわゆるギャルだ。 「だってーねぇ?もったいないじゃん? つか、村上のはこれくらいじゃ減んないっしょ! あーなんならもっと...」 「ちょー!!きもいよ、バカっ!!」 マナブのニヤリと言いかけた言葉を遮り、顔をしかませるアサミ。 それと同時に、彼女の頭を彼の掌が包んだ。 「ごめんな」 ポンポンと軽く髪を撫で、その場を後にするマナブ。 顔を赤くしながらも、撫でられた箇所に触れ、感触を思い出したアサミは なんなのっ!! といった表情をしながらも、彼の後ろ姿に見惚れていた。
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