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「ねぇ、ママ~なんで未夏(みな)←龍一と未亜紀の娘。の家はクリスマスツリーが飾ってあるの?」
そう聞かれた。
未亜紀は答えた。
「未夏はクリスマスが好き?」
愛娘は大きく頷いた。
「パパとママも大好きなの。一年に一回だけじゃ、いやなの。毎日がクリスマスみたいにウキウキした、楽しい気持ちで過ごしたいから、だからだよ。」
愛娘はしばらく黙っていた。
「だから未夏の家はみんなニコニコしてるんだ!」
そう言って可愛い笑顔を向けた。
未亜紀は幸せを感じていた。
涙で霞むツリーは見ない。
これから先、あたたかい空気の中、幸せの光を点すツリーを見続けて行くと。
涙色のツリーを、クリスマスが嫌いと言う事もないだろうと。
幸せな光を点せる事を。
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