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急いでジャージに着替えて体育館に向かった。少しずつ生徒が登校し始めていた。生徒への挨拶もそこそこに玄関を通り抜けた。
体育館では部員が個人練習をしていた。
「集合―――!」
俺が着くなりキャプテンが声をかける。部員が一斉に集まり挨拶をした。
「宜しくお願いします!!!」
目をあわせられないから下を向いて俺は喋った。
「宜しく。じゃあ実戦形式で練習しよう。」
嗚呼………下を向いて彼らに練習内容を伝えなきゃいけないなんて……。これじゃあ心と心が通じあわないじゃないか!実に嘆かわしく悔しかったが死への恐怖がそれらの感情の爆発を押さえていた。
しかしうかつに練習を見ると目をあわせかねないよな……。やはり床を見るしかないのか?キュッとスパイクが擦れる音と声とボールが跳ねたり転がる音だけで練習が判断出来るわけないんだよな。
どうするか………俺!
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