AM8:00

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しかしちょうど先生は出席簿を見ていて下を向いていた。難を逃れてホッとした。2人で職員室を出て教室へと向かった。いつも俺から会話を切り出すのだが珍しく切り出された。なんか新鮮だ。 「よし、じゃあ行こうか。安藤さんと美川君が休みね。そろそろクラスの子の名前覚えた?」 「なんとか………正直影が薄い子は微妙なんですけどね、ハハッ………。」 「ダメよ。生徒ってのは名前間違えるだけで傷つくものよ。あなたは一人前の教師になる第一段階で躓いてるわ。」 「はい、すいません……。」 「それと、しっかり目を見るように心がけなさい。」 今日それができたらどれだけ楽か。死にたくないんですよ。言っても信じてもらえないし言っちゃいけないし……。溜息がつきたかった。
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