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「あ……えっと、ロザリオなくても、その…さくらさまがそうおっしゃって下さって……嬉しくて…」
もう言葉がまとまらなくて…チンプンカンプンな事を言ってしまっている。
気がつけば、涙まで出てきてしまった。
この涙は、嬉しいのか自分の気持ちをうまく伝えられないのが悔しいからなのかすらも分からない…
「泣かないで、ちゃんと楓の気持ちは伝わったわ。
ロザリオなくても私達はもう姉妹(スール)よ、
…でも修学旅行でとびきりのロザリオは買ってくるわね。
私の夢だもの」
さくらさまは楓のタイを直しながら微笑んだ。
楓も涙を拭ってへへっと笑った。
「楽しみにしてます、さくらさま」
「あら?姉妹(スール)なのに、その呼び方は悲しいわ」
とさくらさまに言われて楓はボッと顔が赤くなった。
そうだった、……なんだか呼ぶのが恥ずかしい。
しかし、さくらさまはジッと今か今かと待っている…
「ね?楓」
「は、はい。……お、お…姉さま」
「よろしい」
フフフと笑いながら「すぐ慣れるわよ」とお姉さまは言った。
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