-ある都会の風景-

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『イイ女!イイ女!ホントはどーでもイイ女♪』 皆のアホなコールに乗って手に持っていたジョッキを一気に流し込む。 うっ さすがにキツッ! 『ヒューーーー!』 それでも一気に流し込んだ私にまた周りが歓声の声を上げる。 「いーね!!サナっチャン!よっ!美少女!!」 調子に乗った先輩がいらんことを上機嫌で叫ぶ。 「…先輩、うっざ!」 「うーわーサナチャンひどい!!タケシ傷ついた~」 と言って一人の先輩がオカマの真似して「よよよ…」と嘘泣きをする。 「…センパーイ。ウザさが増してますよ。どっか行ってください」 私の冷たい返しに、周りがドッと笑う。 「遠藤はホントにクールだねぇ。タケシ、ウザいって(笑)うち帰ればー?」 「佐山までヒデェッ!!サナチャンは冷たいし…タケシ、グレてやるー!」 「どうせグレるなら金髪リーゼントにでもしてどこかの峠越えてくださいね?」 「オォウ!!サナチャンまぢひでぇ~!俺はこんなに愛してるのにー!!」 「…や、ほんとウザイですから」 アホなやり取り、いや、むしろアホなタケシ先輩に爆笑する声が、ガヤガヤとうるさい居酒屋に溶け込む。 .
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