-ある都会の風景-

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『お客様、そろそろお時間になりますが…』 うるささにヒケをとられた居酒屋の店員さんが、申し訳なさそうに時間を告げにくる。 「あ、はいはーい!分かりました!みんなー!時間だってー!」 先輩の大きなかけ声に反応して、それぞれ返事をして出る準備をする。 お店を出て、みんなお店の前の道にダラダラしながら立つ。 「じゃー次2次会行く人!ついてこーい!」 先輩に引きづられて元気のある人はフラフラしながらも歩き出した。 反対に駅の方へと歩き出そうとする私に気付いた人が、 「あれ?遠藤帰るんのー?」 と聞いてきた。 ちっ このまま静かに帰ろうと思ったのに! 「ちょっと今日はもう酔っぱらっちゃって無理なんで帰ります」 「えー!来ないのー?超残念なんだけど!俺送ろっか?」 「いえ、大丈夫ですから!じゃ、お疲れ様でーす!」 引き留められないうちに、そそくさと駅に歩き出す。 ふー。 さすがに今日は飲みすぎたわ。 .
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