天使からメール

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帰宅途中。 後になって、僕は気が付いたことが一つあった。 楓が僕とメール交換したのは偶然と言ったことが嘘で、本当は偶然ではなかったという事実。 それは僕のメールアドレスが【poti】ということ。 実はこのアドレス名は楓と僕との関係を大きく関係づける語句なのだ。 中学校の時、二人で子犬を拾った時にどっちの親にも飼えないと言われ、しょうがなく二人だけで育てた犬の名前が『ポチ』だった。 その後、何気なく僕はメルアドを『ポチ』として、偶然的にもその『ポチ』という語句で楓はメル友を探していた。 たまたまこんな繋がりで、僕等のメール交換は始まった。 だから、僕は思う。 もしかしたら、これら全ての出来事が偶然のように思えて、実は必然的な出会いではなかったのではなかったのだろうか……と。 実際はわからない。 ただ、僕はそんな奇跡を信じていたかった。
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