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と、僕は暇を持て余す遊び心のつもりで、その子とのメール交換は始まった。
あれから三ヶ月たった今。
三月下旬。高校生活の幕閉じとなる涙の卒業式も終え、季節は雪降積もる冬から桜咲く春へと変わる季節。
メール交換は今もなお続いているが……実は今日、その人と逢う約束をしている。
でも、僕は不安だった。
メールを送ってきた人物は自分を三ヶ月間、『ミミ』と名乗り続け、本名を知ることは最後まで出来ず、それに逢う約束の場所が学校の屋上だというのだ。
偶然にもそこは僕が通っていた中学校なのだが、二年前建物が古くなり今じゃ廃墟になり立入禁止になったようだ。
僕は時折、激しい胸騒ぎに襲われる。
まるで、何かが起こる。という前兆に似た直感が脳を過ぎっていくのであった。
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