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楓は中学二年の時、亡くなっている。
死因はこの屋上で飛び降り自殺。遺書も残さない突然の死であった。
「どうしたの。私のこと、恐い?」
楓は唖然として言葉を失う僕の前を不気味に微笑み、近寄って来る。
「なんで、僕をここに呼んだ?」
「勘違いしないで欲しいけど、私は月宮君を呼んだわけじゃないよ。たまたま、メールしていた相手が偶然にも月宮君だっただけ」
と、楓は屈託のない笑顔を浮かべる。
胸が張り裂ける思いだった。
何故、笑える? もう、死んでしまったというのに、どうしてそんな優しい笑顔を作れるのか不思議でたまらない。
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