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「楓は恨むだろ。一番身近にいた俺が、すぐ楓の様子に気付いていたら、こんな悲劇は起こらずに済んだ。俺のせいでお前は死んだ」
そう。あの時から、僕は悔やんでも悔やみ切れない責任を背負っていた。
自分のせいで楓は死んだのだ、と……。
拳を強く握り僕は襲いかかる悲しい感情に押し潰されそうになる。
そんな時だ。
楓は僕の腕を掴んだ。
手は服の袖から伝わるほどに冷たい手で、一言「違うよ」と囁く。
「私はね、別に月宮君のこと恨んでないよ。だって、私はこの屋上から月宮君のことをずっと見つめていたんだもん」
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