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この町は特にこれって物がないただの田舎だ。そんな田舎に僕の大切な場所がある。
古い家が建ち並ぶ住宅街に車の通る事が出来ない細い路地がある。その路地を抜けると丘がある。
毎年春になるとその丘は桜が咲く、思わず立ち止まり桜を眺めてしまう。
僕は毎年この桜が満開になるのを楽しみにしている。あの時からずっと消えない思い出を今も胸の中にしまいこんで
それは僕が高校一年生の四月だった。今まで通ってた中学と方向が違う高校に入学したので新しいルートで学校に行かなくてはならなかった。
僕が学校に向かい自転車をこいでいると空から何か降って来た。
ふわり… ふわり…
「んっ?なんだ…?」
それは桜の花びらだった。とても小さく薄いピンクで可愛かった。
僕は桜の花びらにつられて民家と民家間にある細い路地に入って行った。
細い路地を少し進むと直ぐに桜は見つかった。
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