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僕は桜の咲いている丘をただ見つめていた。 しばらくするとその丘に誰かいる事に気付いた。 女の子…女の子だ。思わず見とれてしまった。彼女は小さくて髪の毛は短め、目はパッチリして黒く、透き通るような白い肌だった。 綺麗な女性というよりは可愛い女の子という感じだ。 僕は一瞬で心をうばはれた。何もかも忘れて彼女を見ていた。 僕は今まで恋などほとんどしなかった。  小学校の時、憧れていた女の子にフラれた。…しかも告白すらしていないのに。突然、僕の初恋は終わった。  それ以来僕は女の子とあまり関わらなくなった。女の子と話すのが怖かった。話すだけで嫌われてしまう気がして。 つまり僕はスゴく臆病なのだ。 僕が桜に見とれているとポケットにあるケータイが鳴った。僕は慌て通話ボタンを押した。 「もしもし、今どこにいるんだ?早く来いよ遅刻するだろ!」 同じ高校に進学した親友からの電話だった。 「やっべぇ~!急がないと入学早々遅刻しちゃうよ。」 僕は急いで親友との待ち合わせ場所に向かおうとした。そして、振り返りもう一度だけ桜が咲く丘を見た。 もうそこには女の子の姿は見当たらなかった。
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