🌃世界一の美女🌃

煙草を吸うハイエナ

「死に方について夜通し考えていたんだ。」
ジョニーは煙草をくわえながら、夜の喫茶店で椅子に座り壁にもたれながら僕にそう呟いた。

店内には60年代の洋楽が流れ、ブラウンシュガーのような灯りに満たされ、マスターが一人、ビールグラスを拭いている。

客は僕とジョニーの二人だけ、時間は夜の２時。

「死に方について考えていると、自動的に生き方について考えるようになる、そうなると途端に嫌気がさしてきやがる。生きるのが面倒で死に方を考えていたんだぜ。なのに何故そういう方向にいくんだろうな。」

僕はそれに頷きもしないし、首を横に振ることもしない。
ジョニーの言葉をＢ級ロックバンドの唄の歌詞のように聞き流す。

「つまり…、生きるってことは死ぬことなんだよな。」
ジョニーは煙りを深々と吐く。
「死に方は…つまりどう生きるかで決まるわけ。なんだか矛盾してねーか？。生と死が対局にあるから人はあんなにもがいているのにさ。」

僕は愛想笑いを浮かべる。
言いたい事はわかるが、どこかそれは子供染みていると思う。

「…お前にはわかるよな？」

「少しは。」と僕

「…少しだって？？、嘘をつくな。」

「嘘じゃないさ、嘘ほど弱くはないし、真実ほど強はくない。」

そんな僕の言葉にジョニーはジョニーなりに混乱する。
そんな時ジョニーは僕の言葉を流し別の話題を探す。

「腹へったな。」とジョニー

「何か食えばいいさ」僕はテーブル脇のメニュー表を差し出す。

するとジョニーはそのメニュー表を見ずに元に戻し「でも俺は腹より胸を減らしている。」

「何カップ？」

「胸をいっぱいにしたいんだよ。」

「理想のバストはエイティーナイン。」

「ファック！、そうじゃねーんだよ」