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何はともあれ仕事に行かなくて済みそうなので城下を散策した。
最初はドッキリかと思ったけど俺にこんな大掛かりなドッキリ仕掛けるやつなんかいないと気付いた。
それに風景がどう見ても日本じゃない。
ヨーロッパみたいな景色だ。
ヨーロッパ行った事ないけど…
なんか観光気分だ。せっかくだから観光しようと思った。
横にはニアがいる。キレたら怖いが結構可愛らしい顔をしているのでなんか顔がにやける。
うふふ。なんかデートみたいだね。
妄想を膨らませているとニアに話し掛けられた。
ニア『そういえば勇者様の名前なんていうんですか?』
名前?…
マツだよ。
ニア『マツかぁ…良い名前ですね!』
…びっくりした。
そんな風に言われたのは初めてだった。
マツってのは両親が縁起が良いとゆう事で、松竹梅のマツ、タケ、ウメで迷った挙句つけられた名前だ。
どうせならせめてタケにしてくれれば良かったのに…まぁまだウメじゃないだけましだ。
この名前のせいで昔からからかわれて来た。
小学校の時なんか顔洗わないで学校行って目ヤニついてただけで『松ヤニつけてやんの(笑)』とか言われた、くそが氏ね。
そんな名前だからニアが良い名前と言ってくれた事がすごく嬉しかった。
いやもしかしたらこの世界じゃいけてる名前なのかもしれない。お父さんお母さん僕この名前好きになれそうだよ。
じゃあニア!今度からマッチャンって呼んでくれよ!
そう言って満点の笑顔で振り向いた。
下向いて肩プルプルしてた。
…くそが氏ね。
ニア『まっ…ブフッ……まっちゃ……ブフッ…ブヒャヒャヒャヒャ!!!』
こいつ嫌いだ。
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