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ラグザスは、扉を出て1人長い廊下を歩いて居た。
『…カポストル…か…けっこう辛いんだがな…』
『何がけっこう辛い…だ。お前自身がお上に進言したくせによく言うぜ』
角を曲がった所に、腰まである髪を三つ編みにして結っている男が立っていた。
『ミスティアか…仕方ないだろ…時期を逃せば後々辛いのはあの子らだ。
しかも今年は覚醒の兆しの現れる年だ』
『確かにそうだが…
俺はカポストルのやり方が気に食わない…
もう少し穏やかにもできるだろうに…』
『現皇帝カガラギ様の決定だ。違える事は許されない…
それに…カポストルはそういう物だと割り切らなければならない…
誰もが通る道だ』
『…やり方を変えて行くのも仕事だと俺は思うがね…
それに…今年は今までのカポストルとは訳が違う…
今までの予備候補探しでは無く、今回は真の黒天となるであろう者の兆しの現れる年だ…
その中に居るかも知れない、自分の息子に…その兆しが及ぼす同じ不幸を背負わす事になっても…ラグザス…お前は今まで通り、カポストルを実行できるのか?』
『………自分の息子であってもだ…変わる事は無い…
…それに息子と言っても、あっちは俺を知らない…』
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