Prologue

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それを最後に聞いたのは確か結構前だった気がする 宵の僅かな隙間に鐘の音が響き渡る 低く そして重たい鐘の音 これから始まる闇の到来を告げる音だ 何でだろうな? 急に話したくなったのは 今までの事を お前達に聞いて欲しかったんだ 最後かも知れないからな 俺は通信機に向かって話す 人間の悪い癖だ まだ旧時代の通信機使ってる もったいないってヤツか? 通信機の向こうからは僅かに忍び泣く声が聞こえる 「最後ってどう言う事だ!?」 通信機から男の声がこちらを怒鳴りつけている 「言葉どうりの意味さ…」 「本当…なのか?」 「あぁ…」 男の声は勢いを無くして詰まった 「さて…時間も無い…何から話そうか」
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