第Ⅰ章~転入生~

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中は丁寧に掃除されていた 芝生が斜めに伸びその真ん中に池がある造りだ 俺は右に進む 公園の中にも人はいなかった ここまで人がいないとかえって不気味だ まぁ今の俺にはありがたいが 少し歩くと森が見えてきた 風がざわつき木々が揺れる 池に幾重にも波紋が揺れ周りが騒がしくなり始めた 「嵐が来そうだ…」 空は次第に天候を崩していき雲が何重にも重なり始めた しかし 唐突に風が止んだ 周りは騒ぎを忘れ静かになった 「嵐の前の静けさ…ってやつか」 ◆ 雲は何重にも重なり目の前を覆い尽くしていた 稲光さえ見え始め迫り来る嵐を教えていた 窓際に立ち目深にフードを被りその人は立っている 膝下まで届きそうな少しボサボサの髭で老人と分かる 「さて…先ずはアーガイル家の片鱗…お手並み拝見といこうかの…」
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