7人が本棚に入れています
本棚に追加
宵の月
うっすら地上に明かりを燈す
照らされ露となる
夜桜の
根元にそっと
母は置いた
僕を…
まだ生まれて間もない赤ん坊の僕
目もまだ貴女の姿を捉える事ができない幼き魂
何も知らずに幼な子は梦の中
母はその時何を思ったろう…
そこに置いた我が子の行末を少しでも気にとめてくれたろうか…
母の心中は僕にはわからない…
わかるのは
此処に
捨てられたという
事実のみ
貴女の温もりが…
消えた事に気付いた僕は必死に叫び声をあげたろう…
その声は貴女の心に届きましたか?
ただただ泣く事しか出来ない僕に…
残してくれたのは薄紅色の衣だけ…
これだけ…
これだけで…どう生きろと?
笑ける…
はなっから貴女は僕に生きてほしいなんて願っていんですね
貴女は僕なんて
いらなかったんだね
いらない子だったんだ
いらない物
僕は貴女の廃棄物
貴女が作られたのだから
貴女がどうしようもないと御勝手です
しかし廃棄物は廃棄物でも心を持ってしまったゴミなんで…
僕は
生きてるかぎり
貴女を怨みます
心の底より…
最初のコメントを投稿しよう!