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「ただいまぁ。」
まだふて腐れた様な口振りでドアを開けたのは斎藤明。
私立徳心大学付属高等学校に通う1年生だ。
背丈はクラスで一番低く、まだ幼さを残す丸い輪郭に、クラスの女子に密かに人気の綺麗なアーモンド型の目。欠点としては、お世辞にも似合うとは言えないマッシュルームカット。あまり似合わないその髪型のせいで、『チビキノコ』だとか『しめじ』と影で呼ばれている。
もっとも、本人はあまり気にしていないようだが。
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